2016/03/22 Category : 未選択 その鳥 とてもきれいな音楽や、音を聞いていると、頭の中に映画のような、アニメーションのようなものが見える。ちょっとした物語みたいな空想を、まぶたの裏にぼんやり見ることがある。今日はふんわりと、前から頭の隅にあった映像を書き起こしてみた。備忘録。いつか色鉛筆とスケッチブックで挿絵を描いてみたい。タイトルは思いつかないから「その鳥」でいいや。その鳥は、つがいを一生だいじにします。であった瞬間から、お互いの役目がわかるのです。その日、オスの鳥はこもれびの中で、つばさを洗っていました。すると、うたを歌っているメスの鳥と出会いました。ふたりはなんとなく目が合って、ちょっと枝をとびうつりました。それからやっぱり気になって、もう一回枝をとびうつりました。もう一回。もう一回。そして気がついたら、ふたりは一緒に季節をすごしていました。ある日、メスの鳥は、卵を産むといいました。メスの鳥は、露にぬれたくもの巣を食べ、卵を産む準備をしました。オスの鳥は朝もやをあつめ、家族の家をつくりました。その鳥のからだは、ほとんど空気と同じ、透明な色をしています。そして卵から生まれたとき、いちばん最初に光りがふれたところから、虹のいろに染まります。だから、同じ色をした鳥は、一羽もいません。その鳥を見た昔の人間は、たいようの鳥と呼びました。なぜなら心臓のところに、小さな太陽のような光が、いつも輝いているからです。その鳥のたまごは、とても小さくて、しゃぼん玉よりも薄い、透明なからに包まれています。だけどどんなに強い風が吹いても、ざくざくした地面におっこちても、そのからはけしてわれません。宇宙でいちばんかたいからなのです。ある日オスの鳥は、卵をあたためているメスの体の色が、いつもより薄いことに気がつきました。「もうすぐ、卵がかえるのよ」それから満月がのぼって、夕日がしずんで、新月がちかづきました。とうとうメスの体は、虹の色がのこらないほど、透明になってゆきました。メスの鳥は「またね」と言いました。オスの鳥も「またね」と言いました。たまごは、もうかえる寸前です。メスの鳥の体が、もう、透けてなくなってしまうとき。オスの鳥は、ぎゅっとメスの鳥の体を抱きしめました。メスの鳥のくちばしが、オスの鳥の心臓に、つんとふれました。オスの体は、しゃぼん玉のようにぱちんとはじけました。メスの体は、空気の中にとろりときえてゆきました。「これでよかった」と、ふたりは最後まで幸せでした。翌朝、たまごがかえる時期がやってきました。朝日がのぼる瞬間です。朝日が地上を照らします。生まれたばかりのひなのからだにも、光が射し込みました。鳥は、すき通った体に、たいようの光をいっぱいあびました。虹の色に染まった鳥は、まぶしそうに目を細めました。なぜだかすこし、涙がでました。 [0回]PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword